平良小百合 著 / 財産権の憲法的保障−細目次
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| 凡例
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はじめに |
序章 日本の財産権論の問題状況 |
| 第1節 財産権と法制度 |
| 1.憲法による財産権保障の内容 |
| | (1) 「私有財産制」 |
| | (2) 現有財産権 |
| | (3) 森林法判決の問いかけ |
| 2.制度からのアプローチの導入 |
| | (1) 制度からのアプローチの意義 |
| | (2) 法律による財産権の内容形成 |
| | (3) 取り組むべき課題 |
| 3.基本権の客観法的内容と制度形成 |
| | (1) 私人間効力論への傾注 |
| | (2) 基本権法益間の衡量の可否への議論の集中 |
第2節 既得の権利が制限される場合 |
| 1.曖昧な理論的基礎付け |
| 2.信頼保護原則 |
第3節 憲法上の「原形」の探求 |
| 1.民法あるいは自生的秩序 |
| | (1) 「原形」の具体的内容 |
| | (2) 基礎にある憲法・民法関係論 |
| 2.人格的発展の自由 |
| | (1) 人格的発展の自由を取り込んだ財産権論 |
| | (2) 基礎にある憲法・民法関係論 |
| 3.「原形」の探求への疑問 |
| | (1) 各見解への批判 |
| | (2) 「原形」探求からの脱却へ |
| | (3) 憲法上の財産権はエンプティなのか |
《小括》 |
第1章 ドイツにおける「憲法と私法」論――財産権の憲法的保障の基礎理論 |
| 第1節 憲法から私法への影響 |
| 1.憲法と私法の隔絶から接近へ──基本法前 |
| | (1) 19世紀──私法の優位 |
| | (2) ワイマール期──憲法の優位への助走 |
| 2.憲法の優位の確立 |
| | (1) 基本法制定の意義 |
| | (2) 憲法の優位が成り立つ条件 |
| 3.私法制度形成の基本権による拘束 |
| | (1) リュート判決──民事裁判官の基本権拘束 |
| | (2) 基本権の客観法的側面 |
| | (3) 内容形成論 |
第2節 私法の独自性 |
| 1.私法の伝統性 |
| 2.私的自治の原則 |
《小括》 |
第2章 基本法下における財産権保障の概要 |
| 第1節 拘束のパラドックス |
| 1.財産権の法律依存性 |
| 2.憲法による立法者の拘束 |
第2節 財産権保障の全体像 |
| 1.問題となる局面 |
| 2.拘束のパラドックスの消失?──時間の観点から |
| | (1) 時間の観点による介入の創出@──既得の権利の保護 |
| | (2) 時間の観点による介入の創出A──規範存続保障論 |
| 3.拘束のパラドックス克服の方向性 |
| | (1) 立法者への委託の意義 |
| | (2) 立法委託の不履行の審査 |
《小括》 |
第3章 憲法上の財産権概念 |
| 第1節 連邦憲法裁判所による判示 |
| 1.概要 |
| | (1) 財産権保障の目的と機能 |
| | (2) 憲法上の財産権概念を特徴付けるメルクマール |
| | (3) 民法に対する自立性 |
| 2.各メルクマールの分析・検討 |
| | (1) 財産的価値のある権利/法的地位 |
| | (2) 私的効用性 |
| | (3) 基本的な処分権限 |
第2節 学説による財産権保障のモデル |
| 1.各モデルの基本構造 |
| | (1) 自然権的財産権モデル |
| | (2) ローマ法的所有権の追認モデル |
| | (3) 行為自由的財産権モデル |
| 2.憲法上の財産権概念の役割 |
| | (1) 法律依存性と憲法上の財産権概念 |
| | (2) 財産権概念の確定可能性 |
| | (3) 「財産それ自体」の憲法上の財産権としての保護 |
| | (4) 憲法上の考慮要素モデル |
《小括》 |
第4章 連邦憲法裁判所による財産権保障の展開 |
| 第1節 衡量審査の確立まで |
| 1.第一期──法制度保障審査の始まり |
| | 〔1〕ハンブルク堤防整備法判決:BVerfGE 24, 367(1968年12月18日)──法制度保障審査の原型の形成 |
| 2.第二期──法制度保障審査と衡量審査の混在 |
| | 〔2〕居住賃貸借解約保護法決定:BVerfGE 37, 132(1974年4月23日)──衡量審査の萌芽 |
| | 〔3〕クラインガルテン決定:BVerfGE 52, 1(1979年6月12日)──衡量審査と法制度保障審査相当の審査(現在につながる審査枠組みの基礎) |
| | 〔4〕砂利採取決定:BVerfGE 58, 300(1981年7月15日)──衡量審査と法制度保障審査(考慮要素の明確化) |
| 3.第三期──衡量審査への一本化 |
| | 〔5〕史跡保護決定:BVerfGE 100, 226(1999年3月2日) |
| 4.判例分析のまとめ |
第2節 衡量審査の展開──比例原則審査 |
| 1.比例原則審査の構造分析 |
| | (1) 史跡保護決定における審査枠組み |
| | (2) 建築予定地整備決定の審査枠組み |
| | (3) 財産権理論モデルを用いた判例理論の分析 |
| 2.審査密度の段階付け |
| | (1) 判例理論 |
| | (2) 背景にある思考 |
《小括》 |
第5章 財産権の審査枠組みの理論的分析 |
| 第1節 法制度保障審査の帰趨 |
| 1.判例における法制度保障審査と衡量審査の一本化 |
| 2.学説における従来の法制度保障論の後退 |
| | (1) 法制度保障の変容 |
| | (2) 法制度保障の撤廃 |
第2節 比例原則審査の構造 |
| 1.比例原則適用の前提条件 |
| | (1) 従来の比例原則の理解 |
| | (2) 比例原則の適用否定論 |
| | (3) 比例原則の適用肯定論 |
| 2.財産権における特別な比例原則審査 |
| | (1) 「特別」ということの意味 |
| | (2) 審査の流れ |
《小括》 |
第6章 財産権の現存保障 |
| 第1節 財産権の現存保障の基礎 |
| 1.問題となる局面 |
| | (1) 既得の権利者の存否による区別 |
| | (2) 内容・限界規定と収用との区別 |
| | (3) 内容・限界規定の局面への重点の移動 |
| 2.現存保障の一局面──補償を要する内容・限界規定 |
| | (1) 補償を要する内容・限界規定の意義 |
| | (2) 収用補償との違い |
第2節 信頼保護原則の顧慮 |
| 1.信頼保護原則の法的基礎 |
| | (1) 法治国家原理による基礎付け |
| | (2) 財産権保障による基礎付け |
| 2.信頼保護原則を用いた判断の仕方 |
《小括》 |
終章 日本における財産権の憲法的保障 |
| 第1節 財産権の内容形成の統制 |
| 1.財産権論の日独比較 |
| | (1) 日本の財産権論の特質 |
| | (2) ドイツの財産権論の特質 |
| 2.日本における財産権保障の基本構造 |
| | (1) 基本思考 |
| | (2) 日本における考慮要素モデルの展開可能性 |
| | (3) 日本における内容形成論に基づく財産権論との違い |
第2節 最高裁判所判例における審査枠組み |
| 1.比例原則審査の特質 |
| | (1) 比例原則の多段階化 |
| | (2) 二種類の衡量 |
| 2.審査の実相──内容形成の場合 |
| | (1) 憲法問題としての取扱い |
| | (2) 衡量審査の提示 |
| | (3) 衡量審査の定着 |
| 3.審査の実相──既得の権利侵害の場合 |
《小括》 |
おわりに |
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| あとがき |
| 事項索引 |
| 判例索引 |