人間の尊厳保障の法理人間の尊厳保障の法理
―人間の尊厳条項の規範的意義と動態
現代憲法研究 W
玉蟲由樹
A5判上製本 430頁
ISBN978-4-86031-104-9
価格本体8500円+税
発刊2013年6月

内容 人間の尊厳を「人間」と「個人」から説き起こし,具体的な対比事項として,「絶対性」と「相対性」,「尊重」と「保護」,そして具体的問題点として「拷問の禁止」「最低限度の生活の保障」「死後の人格保護」「個人情報」「遺伝子情報」を各章のテーマとして取り上げる。

目次 →細目次
第1章 尊厳と「人間」・「個人」
1.人権と憲法の「開放性」
2.個人の尊重をめぐる議論状況
3.ドイツにおける人間の尊厳論の現代的傾向
4.個人の尊重と人権理論
第2章 人間の尊厳保障の「絶対性」と「相対性」
1.「人間の尊厳は不可侵だった」
2.人間の尊厳の保護領域の拡大
3.人間の尊厳保障の強度―絶対性への懐疑
4.人間の尊厳の保護領域と保護強度
5.人間の尊厳保障の再構成の可能性
第3章 人間の尊厳の客観法的保護
1.基本法1条1項における人間の尊厳の「尊重」と「保護」
2.連邦憲法裁判所における人間の尊厳の客観法的保護の展開
3.連邦行政裁判所による人間の尊厳保障の「脱人格化・客観化」
4.人間の尊厳の客観法的保護と個人の主体性
第4章 人間の尊厳と拷問の禁止
1.「拷問の禁止」の憲法上の位置づけと動揺
2.ダシュナー事件の波紋
3.人間の尊厳と拷問の禁止
第5章 人間の尊厳と最低限度の生活の保障
1.「人間に値する生存」の保障根拠としての人間の尊厳
2.初期の連邦憲法裁判所判決と学説
3.最低限度の生活・課税最低限・社会保障
4.最低限度の生活の保障を求める基本権
第6章 人間の尊厳と死後の人格保護
1.人間の尊厳の主体の動態と死者
2.連邦憲法裁判所における死後の人格保護
3.死後の人格保護の意義と限界
4.「人体の不思議」展と死者の保護
第7章 人間の尊厳と個人情報
1.人間の尊厳と「情報自己決定権」
2.国勢調査判決における情報自己決定権
3.国勢調査判決に対する批判
4.国勢調査判決以降の情報自己決定権の展開
5.第三者関係における情報自己決定権
6.治安法制と情報自己決定権
第8章 人間の尊厳と遺伝子情報
1.DNA鑑定技術の利用と人権論
2.ドイツでの刑事手続におけるDNA鑑定の利用
3.刑事手続におけるDNA鑑定の利用の憲法学的考察

著者紹介(データは発刊当時)
玉蟲由樹(たまむし ゆうき)
1970年(昭和45年)生まれ
1998年(平成10年) 上智大学大学院法学研究科法律学専攻博士後期課程単位取得満期退学
現在 福岡大学法学部教授


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