子どもの医療と法【第2版】 子どもの医療と法【第2版】
小山剛玉井真理子 編
A5判 382頁
ISBN978-4-86031-089-9
価格本体5500円+税
発刊2012年3月

内容
 治療を受けるか否かの判断は,通常,本人の自己決定に委ねられている。しかし,十分な判断能力を有しない子どもは親・医師・国家,誰が判断をしなければならないのか?  例えば,親が重篤な疾患を持つ子どもが痛みに苦しむのを見かねて治療中止を決めれば,医師はそれに従わなければならないのか? そして,この対立に国はいかに折り合いをつけさせるのか? そもそも,子どもにとって何が最善の利益であるといえるのか?
 憲法学における自己決定論の射程が尽きた先で,尚,憲法学的に国家の保護義務や制度形成といった総論的な枠組みと,実際に判断基準となる枠組みとしての親権や安楽死法についての議論に対し,比較法的に検討を加える。
 第2版では,文献・統計・判例のアップデイトのほか,
  • 第1部「U 日本の現状と課題」では,2011年の民法改正による親権の一時的制限制度の新設につき,補説を設ける
  • 第2部「フランス憲法」では,違憲の抗弁による事後的違憲審査制の導入による,憲法と通常法律の関係の変化につき,補足
  • 第3部「ドイツ」では日本法への示唆と今後の課題の節を全面書き換え
  • 同「オランダ」ではフローニンゲン・プロトコールにつき加筆
等の改訂が行われている。

改訂履歴
2008年6月:初版第1刷(ISBN:978-4-86031-054-7)
2012年3月:第2版第1刷(ISBN:978-4-86031-089-9)

目次
第1部 日本の状況
第1章日本の新生児医療―歴史と倫理問題玉井真理子
第2章日本法の現状と課題保条成宏 = 永水裕子
第3章憲法上の枠組み小山 剛
第2部 各国総論
アメリカ憲法―子どもの権利・親の権利・国家の役割山本龍彦
ドイツ憲法―子どもの医療をめぐる4極関係と基本権保護嶋崎健太郎
フランス憲法―国家による子どもの権利保護新井誠
第3部 各国各論
アメリカ―医療ネグレクトと親の権利の制約永水裕子
ドイツ―「治療行為制約論」と「治療義務制約論」の交錯保条成宏
フランス―医療における同意と未成年者の保護澤野和博
オランダ―重度障害新生児に対する生命終結問題の行方平野美紀
スウェーデン―医療における同意と未成年者の保護千葉華月

著者紹介(肩書きは発刊時点)
小山 剛
慶應義塾大学法学部・大学院法務研究科教授
玉井真理子
信州大学医学部保健学科准教授
保条成宏
福岡教育大学教育学部福祉社会教育講座教授
永水裕子
桃山学院大学法学部准教授
山本龍彦
慶應義塾大学大学院法務研究科准教授
嶋崎健太郎
新潟大学大学院実務法学研究科教授
新井 誠
広島大学大学院法務研究科教授
澤野和博
東北学院大学法学部教授
平野美紀
香川大学法学部准教授
千葉華月
北海学園大学法学部准教授


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