表現の自由U−状況から 表現の自由U−状況から
駒村圭吾鈴木秀美 編著
A5判上製本 526頁
ISBN978-4-86031-087-5
価格本体5000円+税
発刊2011年5月

内容
 表現の自由に関する議論の蓄積には膨大なものがある。それを支える原理もまたその実践も多様で今も昔も暗中模索の様相を呈している。新世紀を迎え情報空間のありかたも旧態とは様相を大きく異にするに至った。かかる状況で表現の自由を支える原理の普遍性をいかに語ってゆくべきだろうか。またそれはいかに実務の最前線で語られるべきなのだろうか。本企画は表現の自由を支える基本概念や基本原理を時代状況を見据えた上で再度定式化するとともに実務に携わる表現者あるいは実務に関心を持つ研究者にとってそれがどのような指針となりうるのかを問うものであり全体として両者の相互応答を企図するものである。(駒村圭吾「『表現の自由T−状況へ』・『表現の自由U−状況から』の刊行にあたって」〔本書@頁〕より)
 表現の自由をとりまく環境は時々刻々と変化し,表現の自由自体も変貌を遂げ,裾野を広げる。表現の自由に関する議論を,時間的・空間的に変化し続ける「状況」の内と外から,改めて捉え直すことを試みた企画。第U巻では,表現の自由の「実務」が直面する課題状況が現場の目から語られる。 (→第T巻詳細ページへ

目次
理論家の表現実践奥平康弘
メディアの物語と表現の自由
   ――光市母子殺害事件をめぐる週刊誌報道を事例に
津田正太郎
個人情報保護法と表現・報道の自由臺 宏士
防波堤としての客観報道飯室勝彦
新聞の提言機能と提言報道山本大二郎
「ニュースの格付け」と通信社
   ――地方紙の紙面作りに与える影響
小黒 純
民間放送
   ――産業化と自主自立の狭間で
砂川浩慶
公共放送
   ――NHKにおける編集権と経営機構を中心に
山本博史
出版流通の自由
   ――その理想と現実,そして未来
湯浅俊彦
広告表現はどこまで自由か前田知巳
表現の自由と図書館
   ――図書館と表現の自由の保障とのかかわりについて
南 亮一
ネットワーク・コミュニケーションと表現の自由小向太郎
政治活動・政治運動
   ――政治的表現の自由と政治的ビラのポスティング規制
松井修視
芸術における表現の自由
   ――美術館による作品処分とグラフィティの「犯罪化」をめぐる所有権との相克
小倉利丸
自主規制
   ――民間放送を例に
本橋春紀
ジャーナリズムと自主規制
   ――ドイツ・プレス評議会の活動を手がかりに
鈴木秀美
メディア規制立法の動向齊藤 愛
ジャーナリズムは生き残れるか
   ――ジャーナリストとは何か
山田健太
職業としてのジャーナリズム駒村圭吾

著者紹介(データは発刊当時)
奥平康弘 (おくだいら やすひろ)
東京大学名誉教授
津田正太郎 (つだ しょうたろう)
法政大学社会学部准教授
臺 宏士 (だい ひろし)
毎日新聞社社会部記者
飯室勝彦 (いいむろ かつひこ)
中京大学文学部教授
山本大二郎 (やまもと だいじろう)
元読売新聞調査研究本部主任研究員・元早稲田大学大学院客員教授
小黒 純 (おぐろ じゅん)
龍谷大学大学院社会学研究科教授
砂川浩慶 (すなかわ ひろよし)
立教大学社会学部メディア社会学科准教授
山本博史 (やまもと ひろし)
メディア評論家
湯浅俊彦 (ゆあさ としひこ)
立命館大学文学部准教授
前田知巳 (まえだ ともみ)
コピーライター
南 亮一 (みなみ りょういち)
国立国会図書館関西館主任司書
小向太郎 (こむかい たろう)
情報通信総合研究所 法制度研究グループ部長・主席研究員
松井修視 (まつい しゅうじ)
関西大学社会学部教授
小倉利丸 (おぐら としまる)
富山大学経済学部教授
本橋春紀 (もとはし はるき)
社団法人日本民間放送連盟職員
鈴木秀美 (すずき ひでみ)
大阪大学大学院高等司法研究科教授
齊藤 愛 (さいとう めぐみ)
神奈川大学法学部准教授
山田健太 (やまだ けんた)
専修大学文学部人文・ジャーナリズム学科准教授
駒村圭吾 (こまむら けいご)
慶應義塾大学法学部・同大学院法務研究科教授


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