女性犯罪研究の新たな展開女性犯罪研究の新たな展開
−岩井宜子先生傘寿・安部哲夫先生古稀記念論文集
後藤弘子宮園久栄渡邉和美柴田守 編集代表
A5判 494頁
ISBN978-4-86031-184-1
価格本体7000円+税
発刊2023年5月

内容
 岩井宜子専修大学名誉教授の傘寿,安部哲夫獨協大学名誉教授の古稀を祝賀し,2人の所属する女性犯罪研究会が中心となり企画された論文集。同研究会がこれまで研究対象としてきた「女性犯罪研究」,「女性による殺人」,「矯正施設における処遇」,「ファミリー・バイオレンス」,「性犯罪・被害」,「最近の課題と刑事政策」を主題とする論文のほか,女性犯罪の動向やこれに関連した研究成果を整理して,これからの女性犯罪研究の方向性について語りあう「座談会」を巻頭に収録。女性犯罪研究のマイルストーンとなり,かつ10年先を見据えて新たな布石を打つような意欲的な論文集。

目次
【座談会】 21世紀の「女性と犯罪」を考える
司会:後藤弘子
参加者:安部哲夫・岩井宜子・小西聖子・名執雅子・宮園久栄・渡邉和美
女性犯罪研究
家父長的ジェンダー差別秩序と刑事法後藤弘子
日本の女性犯罪史〈1980年代〜2010年代〉伊比智=山梨光貴=柴田守
ドイツの女性犯罪研究レビュー〈1980年代〜2010年代〉海老澤侑
女性による殺人
女性による殺人事例の特性の変化柴田守
わが国における新生児殺・嬰児殺・「親子心中」について田口寿子
矯正施設における処遇
矯正施設に収容された女性の処遇と社会復帰支援名執雅子
受刑者を親にもつ子ども(拘禁者を親にもつ子ども)への刑務所の対応
 ──ジェンダーの視点を加味して考える
矢野恵美
少年院におけるマインドフルネスの活用の実践報告東本愛香
ファミリー・バイオレンス
今さらながら,今だからこその,DV防止法改正
 ──DV制度見直しに向けて
宮園久栄
代理ミュンヒハウゼン症候群と「病気」概念
 ──母性とジェンダー問題を考察する
南部さおり
【解説】虐待に関係する損傷の法医学的なみかた藤田眞幸
フィンランドにおける児童虐待を予防する方策齋藤実
性犯罪・被害
性犯罪の被害者には女性が多い
 ──当たり前を学際的な視点で考察して分かること
大江由香
女性性犯罪者の特徴渡邉和美
性暴力被害の実態
 ──全国の婦人相談員への調査結果から
山梨光貴=柴田守=宮園久栄
最近の課題と刑事政策
COVID-19と刑法井田良
大麻に対する刑事規制の在り方太田達也
犯罪を行った精神障害者の処遇
 ──精神保健福祉法の通報制度との関係で
柑本美和

著者紹介(50音順。肩書きは発刊当時)
安部哲夫
獨協大学名誉教授
井田良
中央大学大学院法務研究科教授
伊比智
東洋学園大学非常勤講師
岩井宜子
専修大学名誉教授
海老澤侑
ノースアジア大学法学部専任講師
大江由香
法務省川越少年刑務所分類審議室調査専門官
太田達也
慶應義塾大学法学部教授
柑本美和
東海大学法学部教授
後藤弘子
千葉大学大学院社会科学研究院教授
小西聖子
武蔵野大学副学長・人間科学部教授
齋藤実
琉球大学大学院法務研究科教授・弁護士
柴田守
獨協大学法学部教授
田口寿子
神奈川県立精神医療センター所長
東本愛香
千葉大学社会精神保健教育研究センター法システム研究部門特任講師
名執雅子
元法務省矯正局長
南部さおり
日本体育大学スポーツ文化学部教授
藤田眞幸
慶應義塾大学医学部教授
宮園久栄
東洋学園大学人間科学部教授
矢野恵美
琉球大学大学院法務研究科教授
山梨光貴
常磐大学総合政策学部助教
渡邉和美
警察庁科学警察研究所犯罪行動科学部長


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