性犯罪・被害性犯罪・被害―性犯罪規定の見直しに向けて
女性犯罪研究会 編
A5判上製 350頁
ISBN978-4-86031-111-7
価格本体4000円+税
発刊2014年6月

内容
 本書は,女性犯罪研究会が長年温めてきた「性犯罪・被害」のテーマにチャレンジし,刊行に漕ぎ着けたものである。
 各国がフェミニズムの運動に主に推進され,性被害の救済のための方策・法規定の改正を進めているのに対し,わが国では,まだまだ議論が深められていない。性犯罪被害は顕在化しにくく,性差別以外の多くの社会問題を含んでいるため,一方的な価値観で論じることもできない。そこで,性被害の実態をできるだけ,種々な角度から明らかにし,各国の法制度に学びつつ,わが国の法制度・対策の問題性を明らかにすることを目標に,また,本書は法学者のみでなく,医学,心理学,社会学の各領域の研究者による論考を集め,性犯罪対策を進めるための議論の基礎資料を提供する。

目次
序―性犯罪規定の見直しに向けて岩井宜子
コラム1―レイプの分類森武夫
○総論
性暴力とフェミニズム宮園久栄
非/女性に対する性暴力柳本祐加子
コラム2―性嗜好的異常者による女性被害者森武夫
○各論1―実態と対策
性犯罪被害者の実態と被害者支援内山絢子
コラム3―ストーカー事件の女性被害者森武夫
性的虐待(医学的視点から)―性的虐待から守るために澤口聡子
災害時における女性の性的被害―東日本大震災石井トク・福島裕子
コラム4―夫による女性被害者森武夫
児童自立支援施設入所児童にみる性被害尾ア万帆子
風俗産業にみる性被害の実態矢作由美子
性犯罪からの児童の保護渡邊一弘
コラム5―子どもの性被害者森武夫
○各論2―法体制の課題
強姦罪と準強姦罪柑本美和
性犯罪の親告罪規定と公訴時効柴田 守
性犯罪と裁判員制度南部さおり
児童買春と児童ポルノの規制安部哲夫
○各論3―治療・処遇
性犯罪被害者への心理的治療―精神医学的視点から正木智子・小西聖子
刑務所における性犯罪者の処遇東本愛香
○主要各国の対策
アメリカの性犯罪対策谷田川知恵
イギリスの性犯罪対策小長井賀與
フランスの性犯罪対策島岡まな
ドイツの性犯罪対策山中友理
イタリアの性犯罪対策椎名規子
スウェーデンの性犯罪対策矢野恵美
韓国の性犯罪対策北澤眞由美

著者紹介(肩書きは発刊時点)
岩井宜子
専修大学名誉教授
森武夫
専修大学名誉教授
宮園久栄
東洋学園大学人間科学部教授
柳本祐加子
中京大学法科大学院教授
内山絢子
目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授
澤口聡子
帝京平成大学地域医療学部教授,昭和大学医学部客員教授
石井トク
岩手県立大学名誉教授,日本赤十字北海道看護大学名誉教授
福島裕子
岩手県立大学教授
尾ア万帆子
常磐大学大学院被害者学研究科非常勤講師・スーパーバイザー
矢作由美子
敬愛大学国際学部こども学科非常勤講師
渡邊一弘
専修大学法学部准教授
柑本美和
東海大学大学院実務法学研究科准教授
柴田 守
長崎総合科学大学共通教育部門准教授
南部さおり
横浜市立大学医学部助教
安部哲夫
獨協大学法学部教授
正木智子
国立精神・神経医療研究センター 臨床心理士
小西聖子
武蔵野大学人間科学部人間科学科教授
東本愛香
千葉大学社会精神保健教育研究センター特任助教
谷田川知恵
法政大学ほか非常勤講師
小長井賀與
立教大学コミュニティ福祉学部教授
島岡まな
大阪大学大学院高等私法研究科教授
山中友理
関西大学政策想像学部准教授
椎名規子
拓殖大学政経学部教授
矢野恵美
琉球大学大学院法務研究科准教授
北澤眞由美
女性犯罪研究会会員


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