身体・性・生 | ||||
個人の尊重とジェンダー | ||||
杉浦ミドリ・建石真公子・吉田あけみ・來田享子 編著 | ||||
A5判 302頁 | ||||
ISBN | 978-4-86031-094-3 | |||
価格 | 本体4000円+税 | |||
発刊 | 2012年8月 | |||
内容 医学,法学,教育学,スポーツ科学,社会学等の専門家達が,医療・科学技術の発展の中で揺れ動く身体,性,生が提起する課題につき,それぞれの立場からアプローチする。 東海地区で活動する「身体・性・生命・科学におけるジェンダー問題研究会(略称:BG 研究会)」による論文集。 身体や性,性別にかかわる事柄は,人にとって最も重要なものの1つであるにもかかわらず,それが権利として,特に女性の権利として保護されるようになってから間もない。身体は,生物学,医学に,より近接性を有する「物質」であるが,しかし,その存在は社会的な位置付けの中に置かれ,個人の人格と切り離せないものである。また身体や性に関する事柄は,ごく個人的なものであるが,それについての判断や決定においては,ジェンダー・バイアスや家族関係,社会制度との関係を切り離しにくい。身体や性,性別に関する人権は,医学,法制度,社会的な人間関係,身近な家族関係等,様々にからまる糸の中にあり,それらをほぐし,個人の人格の尊重という観点から新しい権利や選択の内容を明らかにすることが,現在,求められている。本書が,個々人にとって切実なそうした問題を考えるうえで,少しでもより良い「生」につながるヒントを提示しうることを願っている。――「プロローグ」より。 |
目次 |
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プロローグ──身体・性・生と「個人の尊重」 | 建石真公子 | ||
第1章 身体と性 | |||
医療・医学と女性たち | 杉浦ミドリ | ||
指標あるいは境界としての性別 ――なぜスポーツは性を分けて競技するのか | 來田享子 | ||
第2章 セクシュアリティと「人格の尊重」 | |||
女性の「人格の尊重」と中絶の権利 ──ヨーロッパにおける「憲法」および「ヨーロッパ人権条約」による保障 | 建石真公子 | ||
不妊治療における民間医療の検討 ──漢方・鍼灸・ヨガの施術者と利用者の語りから | 水野英莉 | ||
サウスダコタ州の中絶禁止法の厳格化に対して州民投票が果たした役割 | 佐々木裕美 | ||
第3章 セクシュアリティ / ジェンダーと生 | |||
キャンパスにおけるセクシュアル・マイノリティの学習環境の保障 ――「当事者」の声をてがかりに | 藤原直子 | ||
男性性研究はジェンダーに基づく暴力をどこまで読み解いたか | 北仲千里 | ||
育児支援施策から考えるジェンダー平等 | 吉田あけみ | ||
エピローグ | 杉浦ミドリ |
著者紹介(論文掲載順。肩書きは発刊当時) |
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杉浦ミドリ (すぎうら・みどり) 公衆衛生学,小児科学 | ||
放送大学客員教授,愛知淑徳大学非常勤講師など | ||
來田享子 (らいた・きょうこ) 体育・スポーツ史,スポーツとジェンダー | ||
中京大学スポーツ科学部教授 | ||
建石真公子 (たていし・ひろこ) 憲法学,国際人権法学 | ||
法政大学法学部教授 | ||
水野英莉 (みずの・えり) 社会学,身体とジェンダー | ||
京都大学大学院文学研究科グローバルCOE研究員(文部科学省グローバルCOEプログラム「親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点」) | ||
佐々木裕美 (ささき・ゆうみ) アメリカ地域研究(文学,政治学) | ||
愛知学泉短期大学生活デザイン総合学科准教授 | ||
藤原直子 (ふじわら・なおこ) 教育学,ジェンダー論,セクシュアリティ論 | ||
椙山女学園大学人間関係学部教授 | ||
北仲千里 (きたなか・ちさと) 社会学 | ||
広島大学ハラスメント相談室准教授 | ||
吉田あけみ (よしだ・あけみ) 家族社会学 | ||
椙山女学園大学人間関係学部教授 |