「憲法上の権利」の作法 新版 | |||
小山剛 著 | |||
A5判 286頁 | |||
ISBN | 978-4-86031-088-2 | ||
定価 | 本体2,500円+税〔絶版,改訂〕 | ||
発刊 | 2011年9月30日 | ||
内容 新章「基本権訴訟の要件と限界」,「憲法上の権利と法令の解釈・適用」を追加。待望の新版! 憲法,とりわけ第3章の規定は,きわめて抽象度が高く,解釈の役割は大きい。適用すべき条文と,条文を適用されるべき生の事実は,限りなく離れている。その隔たりを埋めるには,抽象的な条文と具体的事実との間で視線を何度も往復し,その権利の意義と事案の特徴を意識した論証をしていかなければならない。求められるのは,作法にかなった論証の中で,それぞれの権利および事案の特徴を見極め,反映させることである。 (本書3頁はじめにより) 実際の憲法(基本権)問題の判断において必要とされる論理構造を解き明かす。 防御権の「原則−例外関係」を前提とした「三段階審査」,原則−例外を観念できない積極的権利の「下限の統制」,制度に依存した権利の「制度準拠審査」など,『憲法上の権利』の論証作法を広く示すとともに,判例との理論的整合を図る。 新版では,旧版の記述の改訂と共に(特に比較衡量論について詳論),さらに【C 司法的救済の諸問題】を起こし,憲法上の権利の救済を目的とした訴訟において実際に問題となりうる主要な訴訟類型と判断手法,司法的救済の限界について検討する。 |
改訂履歴 |
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2009年3月 :初版第1刷(ISBN:978-4-86031-064-6) 2011年9月 :新版第1刷(ISBN:978-4-86031-088-2) 2011年11月:新版第2刷(ISBN:978-4-86031-088-2) 2012年6月 :新版第3刷(ISBN:978-4-86031-088-2) 2013年2月 :新版第4刷(ISBN:978-4-86031-088-2) 2014年3月 :新版第5刷(ISBN:978-4-86031-088-2) 2015年1月 :新版第6刷(ISBN:978-4-86031-088-2) |
正誤情報 |
目次 |
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A 三段階審査――防御権の作法 | ||||
第1章 「憲法上の権利」の基礎 | ||||
第1節 憲法上の権利 | ||||
T 基本構造 | ||||
U 原則−例外関係 | ||||
第2節 防御権の作法 | ||||
T 基本形 | ||||
U 判例を読む | ||||
第2章 保護領域と制限 | ||||
第1節 保護領域の画定 | ||||
T 保護領域 | ||||
U 保護領域からの除外 | ||||
V 基本権の競合 | ||||
第2節 制限 | ||||
T 制限 | ||||
U 承諾(基本権の放棄) | ||||
V 「制限」と「具体化・内容形成」 | ||||
W 保護領域と制限の関係 | ||||
第3章 制限の正当化 | ||||
第1節 形式的観点 | ||||
T 法律の根拠 | ||||
U 委任立法 | ||||
V 条例による制限 | ||||
W 規範の明確性 | ||||
第2節 実質的観点 | ||||
T 絶対的禁止と相対的禁止 | ||||
U 規制目的と公共の福祉 | ||||
V 比例原則 | ||||
W 最高裁と比例原則・審査密度 | ||||
X 補論――「事情の変化」論 | ||||
第3節 比較衡量・二重の基準・比例原則 | ||||
T 比較衡量 | ||||
U 二重の基準論 | ||||
第4章 包括的自由権と法の下の平等 | ||||
第1節 包括的自由権 | ||||
T 一般的自由 | ||||
U プライバシーと情報自己決定権 | ||||
第2節 法の下の平等 | ||||
T 保護領域と二段階審査 | ||||
U 別異取扱いとその正当化 | ||||
B 下限統制・制度準拠審査──もう1つの作法 | ||||
第5章 積極的権利と制度保障 | ||||
第1節 積極的権利(給付請求権) | ||||
T 積極的権利の特徴 | ||||
U 積極的権利の法的性格 | ||||
V 積極的権利の作法 | ||||
W 補論―─基本権保護義務 | ||||
第2節 私法関係と基本権 | ||||
T 私人間効力 | ||||
U 間接適用説 | ||||
V 基本的な考え方 | ||||
W 私人間効力論の射程 | ||||
第3節 制度保障 | ||||
T 従来の議論 | ||||
U 「制度を保障」することの意味 | ||||
V 公法上の制度的保障 | ||||
W 財産権と私法上の法制度 | ||||
第6章 権利の論理と制度の論理 | ||||
第1節 権利の制限と制度の形成 | ||||
T 2つの論証作法 | ||||
U 「権利制限」か「制度形成」か | ||||
V 「投票価値の平等」に対する3種のアプローチ | ||||
W 小括 | ||||
第2節 制度準拠審査 | ||||
T 立法裁量強調型 | ||||
U 立法裁量縮減型 | ||||
V 立法裁量限定型 | ||||
W 裁量過程統制型 | ||||
X 基本的な考え方 | ||||
第3節 消極的権利と制度(法令)の参照 | ||||
T 職業・営業の自由 | ||||
U 表現・集会の自由 | ||||
C 司法的救済の諸問題 | ||||
第7章 基本権訴訟の要件と限界 | ||||
第1節 付随的違憲審査の要件と限界 | ||||
T 法律上の争訟 | ||||
U 補論――取消訴訟 | ||||
V 違憲主張の適格と憲法判断の必要性 | ||||
W 違憲審査の限界 | ||||
第2節 立法不作為の司法的救済 | ||||
T 給付の積極要件と消極要件 | ||||
U 解釈による欠缺補充の可能性 | ||||
V 立法不作為と訴訟選択 | ||||
第8章 憲法上の権利と法令の解釈・適用 | ||||
第1節 解釈・適用審査の概要 | ||||
T 解釈・適用審査の類型 | ||||
U 解釈・適用審査の観点 | ||||
第2節 合憲限定解釈と過剰包摂型審査 | ||||
T 合憲限定解釈 | ||||
U 過剰包摂型(狭義の適用違憲)審査 | ||||
著者紹介(データは発刊当時) |
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小山 剛 (こやま ごう) | ||||
1960年東京に生まれる。 | ||||
1990年慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学 | ||||
愛知県立女子短期大学講師,名城大学法学部助教授,慶應義塾大学法学部助教授などを経て | ||||
2004年より慶應義塾大学法学部教授・大学院法務研究科教授 |