ファミリー・バイオレンス【第2版】 | |||
岩井宜子 編 | |||
A5判 354頁 | |||
ISBN | 978-4-86031-078-3 | ||
価格 | 本体5000円+税 | ||
発刊 | 2010年4月 |
内容 法介入が困難な家庭内暴力(ファミリー・バイオレンス)。日本においても顕在化したものについて法的対応策もとられつつあるが,不十分なものといわざるをえない。ファミリー・バイオレンスの実態を明らかにし,統計学的・犯罪精神医学的になど多角的に分析,その上で実効的な防止法制度構築のための素材を提供する。 第2版では、新たに「高齢者虐待の現状と法的対応」が書き起こされたほか,各論文,データのアップデートが行われている。オーストラリアの児童虐待対応策についても,新たな資料を得て書き加えられている。 21世紀になって,ファミリー・バイオレンスへの対策は,「法は家庭に入らず」の原則を打ち破り,「ストーカー規制法」「児童虐待防止法」「配偶者暴力防止法」と次々と立法が行われ,新たな法的対応がとられつつある。児童虐待もDVも相談件数は増え続けており,それは顕在化が図られつつある兆候とも考えられ,また,親族間殺人の増加も新たな注目を集めており,ファミリー・バイオレンスに対する実効的な対策がとられることが急務と考えられる。本書が,わが国のファミリー・バイオレンスの問題点を理解し,法的対応と実効的対応システム作りの一助となることを願ってやまない。(著者「あとがき」より) |
改訂履歴 |
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2008年6月:初版第1刷(ISBN:978-4-86031-055-4) 2010年4月:第2版第1刷(ISBN:978-4-86031-078-3) |
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目次 |
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序章 わが国のファミリー・バイオレンスの問題状況 | 岩井宜子 | |||
第1部 ファミリー・バイオレンスの実態分析 | ||||
第1章 | ドメスティック・バイオレンスの現状分析 | 内山絢子 | ||
第2章 | ファミリー・バイオレンスと殺人の関係――平成年間の判例調査から | 柴田守=暮井真絵子 | ||
第3章 | 家族内の葛藤と殺人――進化生物学的視点から | 長谷川眞理子 | ||
第4章 | 配偶者間暴力の心理的メカニズム――配偶者間の殺人・傷害事件を中心に | 松本良枝=春日珠実 | ||
第5章 | 母親による実子殺――被害者の年齢層別に認められる特徴について | 田口寿子 | ||
第2部 ファミリー・バイオレンスへの法的対策 | ||||
第1章 | ドメスティック・バイオレンスへの法的対策 | 岩井宜子 | ||
第2章 | 児童虐待の現状と法的対策 | 小長井賀與 | ||
第3章 | ストーカー・つきまといの現状と法的対策 | 佐々木和夫 | ||
第4章 | 高齢者虐待の現状と法的対応 | 安部哲夫 | ||
第3部 各国のファミリー・バイオレンス法制 | ||||
韓国・台湾――家庭暴力罪と保護命令 | 宮園久栄 | |||
アメリカ――積極的逮捕政策への転換 | 谷田川知恵 | |||
イギリス――児童虐待に対する刑事規制の強化 | 柑本美和 | |||
ドイツ――2002年「男女間暴力被害者保護法」 | 安部哲夫 | |||
イタリア――2001年「家族関係における暴力防止措置法」 | 椎名規子 | |||
スウェーデン――女性の安全法からDV加害者更生プログラムへ | 矢野恵美 | |||
オーストラリア――各州における家庭内暴力関係法 | 森武夫=渡邊一弘 |
著者紹介(肩書きは発刊当時) |
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岩井宜子 | ||
専修大学院法務研究科教授,内閣府男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会会長,日本学術会議(第20期・第21期)法学委員会ファミリーバイオレンス分科会委員長 | ||
内山絢子 | ||
目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授 | ||
柴田守 | ||
首都大学東京都市教養学部法学系助手 | ||
暮井真絵子 | ||
成城大学大学院法学研究科法律学専攻博士課程在学 | ||
長谷川眞理子 | ||
総合研究大学院大学先導科学研究科教授 | ||
松本良枝 | ||
財団法人 矯正協会附属少年非行問題相談センター顧問,帝京科学大学生命環境学部非常勤講師 | ||
春日珠実 | ||
臨床心理士,栃木刑務所被収容者民間委託カウンセラー | ||
田口寿子 | ||
東京都立松沢病院精神科医長 | ||
小長井賀與 | ||
立教大学コミュニティ福祉学部准教授 | ||
佐々木和夫 | ||
専修大学法学部准教授 | ||
宮園久栄 | ||
東洋学園大学人文学部教授 | ||
谷田川知恵 | ||
大学非常勤講師 | ||
柑本美和 | ||
東海大学大学院実務法学研究科准教授 | ||
安部哲夫 | ||
獨協大学法学部教授 | ||
椎名規子 | ||
拓殖大学政経学部准教授 | ||
矢野恵美 | ||
琉球大学法務研究科准教授 | ||
森 武夫 | ||
専修大学名誉教授 | ||
渡邊一弘 | ||
富山大学経済学部経営法学科准教授 |