憲法学研究憲法学研究
工藤達朗
A5判上製本 352頁
ISBN978-4-86031-058-5
定価本体7000円+税
発刊2009年2月

内容
 著者が1997年以降に発表した論文を中心に収録した論文集。
 この本は,憲法の解釈に伴い突き当たる,「国家とは何か」,「国家は何をしなければならないのか」あるいは「国家と憲法・社会の関係」といった問題に基本関心を置く。その上で,基本権の射程範囲,憲法秩序全体における裁判の位置づけ,憲法改正といった憲法学上の論点の検討を行う。
 また,各論文における導入部分のウィットに富んだ語り口は,難解なテーマへのよき足がかりであるとともに,著者の大きな特徴である。
目次
第一部国家
国家民営化論への一視角――選挙権から共益権へ?
「日本国民統合」と天皇制
「国権」と「統治権」――美濃部とイェリネクの一相違点について
第二部人権
幸福追求権の保護領域
【補論】薬物酩酊の権利?――ハシシ(Cannabis)決定
内在的制約説の解釈論上の意義――基本権の保護領域の確定について
自然災害からの保護を求める憲法上の権利
第三部憲法裁判と憲法改正
憲法裁判における裁判官
【補論】学者と裁判官のはざまで――伊藤正己裁判官の場合
裁判による憲法形成
「違憲判決の効力」論の再検討
憲法改正の違憲審査
憲法改正限界論
追録
連邦憲法裁判所の判決の効力――ドイツにおける具体的規範統制の現実的機能
憲法学における国家と社会――K・ヘッセの「共同体」概念とその問題性

著者紹介(データは発刊当時)
工藤 達朗 (くどう たつろう)
1956年11月25日生まれ
現在,中央大学法科大学院教授


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